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2004年05月29日

書籍紹介#04「逃げる百姓、追う大名」

今日紹介するのは、

中公新書#1629「逃げる百姓、追う大名―江戸の農民獲得合戦」 宮崎克則著 ISBN4-12-101629-7

です。紹介といっても本書の内容は比較的単純なので、短く済ませます。

乱世の時代が終わり、平穏な江戸時代に入ると、大名はこぞって米を主とする食物生産量をあげようと必死になった。彼らは多くの武士とその家族、を自らの手で養わなければならなくなったからだ。
土地はあるが、戦乱の中で荒れていた。荒れた田畑を耕すのには農民が足りなかった。そこで大名は考えた。別の領の農民を獲得できないか…と。

大名は他領からやってみた農民を受け入れ、田畑を与え、そして保護した。この他領からやってきた者を「走り者」と呼んだ。他領とはたいていの場合は隣の領であるが、遠くから来たものもいた。

農民の増えた大名は喜んだが、農民に出て行かれた大名はたまったもんではなかった。「どこそこの、だれそれというものがそちらに走っているが、返してはもらえないか?」と必死で取り戻そうとした。走ったものの素性がわからなければ、その大名は損をしたままとなった。走ったものの本人を特定できないと、「そんな奴は知らん。」と門前払いされてしまうからだ。また、走った農民が走り先で結婚していたりするとさらに取り戻すことが難しくなった。

このような「走り」行為が頻繁に発生すると、百姓に逃げられる恐れのある大名は、百姓たちに対して脅したり賺したりして、走りを必死で食い止めようとした。それでも止め処がない場合は幕府にお願いして、お触れを出してもらうこともしばしばだった。

このように意外と人の移動は多かったのである。

以上が本書の概要で、実例を事細かに挙げているところが面白い。
一度でも読んでいただけたら幸いだ。

Posted by masamic at 23:40 [書籍・雑誌, 歴史] | 固定リンク

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コメント

おもしろそうですね。
つい、"大名"="企業","農民"="現場の技術者"と読み替えてしまいました。しかし、大名は農民が不足してることに気付いていますが、企業は現場の技術者が不足していることにどれだけ気付いているのでしょうか?また気付いているとしてもどれだけ手を打っているのでしょうか?
いっそ走り先で結婚しちゃうぞ!...なんて。

投稿者: wyama (2004年05月30日 01:19)

"大名"="企業","農民"="現場の技術者"とは面白い読み替えですね。
実際、走る農民も宛もなく走るのではなく走り先のメドを付けてから走るとされています。この点も似てるかも知れませんね。

投稿者: masamic (2004年05月30日 03:57)

早速横須賀の図書館で手配してみました。
読んでみたら、感想をうpしてみまつ。

そうそう、AXIS貸してくださいよ。

投稿者: ええねん (2004年05月30日 09:20)

ええねんさんへ

感想宜しくお願いします。

AXISは明日お貸しできるように今日中に読みます。

投稿者: masamic (2004年05月30日 09:33)

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