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2004年06月19日

書評#04「日中宇宙戦争」

本日は以下の書評をする。

文春文庫#361「日中宇宙戦争」 中野不二男・五代富文 ISBN4-16-660361-2

結論をいうと、タイトルはかなり大げさなもので、別に「中国と宇宙空間で戦争する時代が来るとか」、「日中で宇宙開発競争が行われている」とかというような話ではない。

世界で3番目の単独有人飛行を達成した中国の国家宇宙戦略に対する、日本の戦略性のなさをやんわりと批判したものと考えてよい。

内容的には「中国の国家宇宙戦略、とその歴史」、「日本の宇宙開発の歴史と技術力」、「中国とソビエトの宇宙技術協力の関係」、「日本とアメリカ宇宙技術協力の関係」がおもな主題となっている。

著者らを見ればわかるとおり、彼らは日本の宇宙開発に常に接している方々である。
本書では、日本は今後も国際貢献の一環として、速やかに気象衛星(運輸多目的衛星)を打ち上げるべきであり、宇宙における太陽光発電と地球への伝送技術を確立し、世界の電力不足地域の解消につなげるようにすべきであると述べている。
しかし、行間からは、著者らが日本が独自の有人飛行プログラムを持つことを強く望んでいる様にも思われる。

私自身、世界の国々とともにISSを運用していく主要な立場にいる日本は、すでに重要な国際貢献となっている気象衛星を打ち上げ・運用すべきであることを望んでおり、また、緊急脱出艇でもいいから有人宇宙機を開発し提供すべきであり、そのためにも、有人宇宙飛行技術に取り組んでほしいと思っている。

では、日本はアメリカのような(一見進んだ)スペースシャトルを作るのか?という答えは「おそらくNOだろう」という。莫大な運用費を調達できないことが明らかだからだ。打ち上げ成功率の高さや費用的が格段に安価なソユーズやマーキュリーみたいな(枯れた技術である)カプセル型で十分であるという。ではどういったスペックがよいのだろうか?という点については以下の書籍で詳しく検討がなされているので、参考にされるとよいだろう。

ポピュラーサイエンス#258「われらの有人宇宙船 -日本独自の宇宙輸送システム『ふじ』-」 松浦晋也 裳華房 ISBN4-7853-8758-0

以上です。

Posted by masamic at 13:32 [書籍・雑誌, 科学・技術, 航空・宇宙] | 固定リンク

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